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エンタメの扉

休日に音楽、映画、読書など楽しんでいるインドア派のみなさん! 色々な作品をより深く楽しむため、各方面の専門家(=オーソリティー)によるオススメのアイテムやとっておきの情報を紹介しちゃいます!

“マーヴィン・ゲイ”のすすめ

このコーナーの初めでは、スティーヴィー・ワンダーについての「すすめ」を書かせていただきました。彼と並ぶように、名前こそよく知られてはいるものの、実際にCDなどを聴いたことがないという人が多いと思われる“マーヴィン・ゲイ”を取り上げます。「名前だけは聞いたことがあるけど…」なんて、これは実にもったいない! そう思い立ちまして今回は彼の楽曲の魅力についてご紹介いたします。

彼自身については、その輝かしい成功と、アメリカ音楽史に残ると言ってもいい多くの 名作、そして波乱に富んだ一生の最期を実の父親の銃弾によって迎えることになってしま うことなど、とても簡単には語りつくせないので、今回は彼の代表作であるアルバム「What’s Going On(ホワッツ・ゴーイン・オン)」をご紹介したいと思います。1971年の作品ですが、いまだに若いミュージシャンなどの間で話題に上がることも多い、名作中の名作です。

『What’s Going On』ジャケット写真

『What’s Going On』
℗ 1971 UMG Recordings, Inc.

ベストソウルアルバム「ホワッツ・ゴーイン・オン」

タイトル曲でもある「What’s Going On(ホワッツ・ゴーイン・オン)」から始まる9曲入りのこのアルバムは、うち3曲「ホワッツ・ゴーイン・オン」、「マーシー・マーシー・ミー」、「インナー・シティ・ブルース」が、全米R&Bチャートで1位を獲得しています。楽曲ごとの音楽としての評価もさることながら、こういった曲がそれぞれに反戦や環境問題など、当時の社会が抱えていた色濃い問題に対するメッセージを持って発表されています。

楽曲「ホワッツ・ゴーイン・オン」は、ベトナム戦争から帰ってきた弟フランキーから戦場の体験、悲惨さを聞き、そこから制作するに至ったと言われています。「Mother、mother」と、母親への問いかけから始まる歌詞には胸を締めつけられる思いがします。「マーシー・マーシー・ミー」は大気汚染や海の汚染をテーマにし、そして「インナー・シティ・ブルース」は無能な政治支配からの脱出を叫んでいるかのような歌詞です。ふと考えると、まさに今の日本社会に必要なメッセージとも言えるような気がします。マーヴィン・ゲイが叫んだ40年後の今も、同じメッセージを社会が必要としていることは悲しむべきことなのかもしれません。

オーサー阿多さん写真

Profile 阿多明彦(あた あきひこ)

プロデューサー。宮崎県出身。東京都内を中心に様々なプロデュースを行う。スティーヴ ィー・ワンダーの楽曲を様々なミュージシャンがパフォーマンスするトリビュートイベン ト「wonderlove live」は2003年から継続開催。今年十周年を迎える。

イベントサイトURL:http://so.wonderful.to/wonder/