トップページ > 第7回特集:携帯タブレット入門指南 ―後編 Part2

特集:携帯タブレット入門指南 ―後編 Part2

携帯タブレット入門指南 ―後編

急速に普及している携帯端末タブレット。前号では購入時のアドバイスや基礎的な操作方法、取り扱いの注意点などをまとめましたが、今回は年配者にオススメのアプリのご紹介をします。また前号に引き続きご登場いただくファンラーニングの石塚正樹さんに、被災地石巻(宮城県)での携帯タブレットを使った講座の様子、そして今後のタブレットの展望について伺いました。

IT学習支援 in 石巻。人々との交流で充実した4カ月

「東日本大震災で被害を受けた人たちの役に立ちたい」。石塚さんは2013年に一般社団法人ファンラーニングを設立。昨年7月にはiPad6台を抱え、被災地石巻へと赴きました。特に当てもなく、宿泊先も確保しない中での訪問となりましたが、現地で震災復興に向けて活動しているNPO団体などの理解や協力を得て、次々に活動を展開。当初予定していた滞在期間を延長し、述べ4カ月にわたりiPad講座などのIT学習支援を行いました。

石塚正樹さん

Profile:

一般社団法人
ファンラーニング
代表理事:石塚正樹さん

●旅館・松原荘でのタブレット研修

石巻市長面(ながつら)にあった旅館松原荘は震災後の津波の影響で建物が全壊。現在は新天地で旅館の再建に向けた活動をしています。石塚さんは松原荘の家族と従業員を対象にiPadの使い方をレクチャー。大人から子どもまで広い世代が参加した講座は終始楽しい雰囲気に包まれていたようです。今後松原荘ではITを業務にどう活かしていくか模索していくとのことです。

●石巻中央公民館でのタブレット講座

市内を中心に活動するNPO法人パソコンママネットでは、地域の人たちを対象にPCの操作に関する相談や講習会などのサポートを行っています。同NPOではこれまで携帯タブレットのサービス対応をしていなかったこともあり、石塚さんは特別講師としてiPad講座を実施。おもに年配の方が参加されていましたが、「とてもわかりやすく説明してくれた」と主催者、参加者からも好評でした。

●EdTechナイト in 石巻復興バー

市内にある「復興バー」も、津波の影響で建物が冠水し2011年7月に改装し再オープンしました。現在は石巻を訪れる人たちの交流の場として毎晩熱い会話が交わされています。石塚さんは学習アプリが詰まったiPadを用意し、「ノリで勉強できれば」とお酒のおつまみとしてタブレットを楽しんでもらうイベントを開催。こちらは比較的若い参加者が集まり、普段ITに触れる機会の少ない人たちにiPadの魅力を体験してもらいました。

特につてもなく訪れた石巻ですが、地元の「石巻2.0(※)」という団体が運営するベースにお邪魔させてもらい、そこを拠点にさまざまな人や団体と交流していくうちに色々と引き合いができ、気づけば4カ月にわたる期間での支援となりました。もし普通にアパートを借りて部屋に一人こもって活動していたらここまで幅広く輪が広がることはなかったと思います。

講座は石巻の市報で告知してもらったりもしました。参加者の方々からはおおむね好評でしたが、全くの初心者向けの講座が多かったので、レベルの高いレッスンを希望されていた方には少し物足りなかったかもしれません。仮設住宅を回っての講座は、みなさん津波で家を失くされた方々ということもあり少しナーバスになりましたが、実際訪れてみると、みんなでお茶を飲みながら楽しく学びたいというような雰囲気でした(談)。

※石巻をあたらしく「つくる」一般社団法人ISHINOMAKI2.0。NPO職員をはじめ、建築家、広告クリエイター、Webディレクターなどの専門家が石巻を新しい町へと再生させるために集結。震災後、ジャンルに縛られない多種多様なプロジェクトを実現させている。

Column

タブレットイメージ画像

訪問介護、サ高住、高専賃などでの24時間体制を支えるうえで携帯端末の使用は欠かせなくなるだろう。

介護職員の間でも携帯タブレットを使用する機会は増えつつある

介護の現場でもIT化が進み、利用者や入所者の介護記録や計画書をシステムで管理する施設が増えると予想される。その場合、情報の確認や報告を行う端末としてタブレットやスマートフォンが使われるようになり、職員がIT機器を使いこなせるようにならなければいけない。「私は機械オンチだから…」と言ってタブレットを敬遠する言い訳は今後できなくなるだろう。

パソコンからタブレットへの流れは確実

今後携帯タブレットはどのように普及していくのか、また私たちの生活の中でどのような位置づけになるのか。石塚さんに今後の展望を伺いました。

「PCからタブレットへの移行は必須だと思います。今まではPCユーザーが後発のタブレットを使い始めるという流れでしたが、今後ユーザーはPCを経由しないでタブレットに行くという流れになると思います。値段もどんどん安価になってきており誰でも手に入りやすくなるというのも大きな理由です。

タブレットはたくさんの可能性を秘めていますが“タブレットにできること”があまりにも多いゆえ敬遠されるところもあります。そこをうまく教えていくのが私たちの使命だと思います。またインターネットのインフラは世界規模で見ても結構整っていたりするので、東北に止まらず今後は発展途上国などでもIT学習支援を展開していけたらと思います」

一般社団法人ファンラーニングHP
http://flearning.org/

取材・文/大西啓介 取材協力/石塚正樹