トップページ > 第9回特集:今昔百科事典特別編 大相撲の世界 Part2

第9回特集:今昔百科事典特別編 大相撲の世界 Part2

特集:今昔百科事典特別編 大相撲の世界 Part2

続いて大相撲の歴史について振り返ります。戦後活躍した横綱たちは相撲好きでなくともその名前は誰でも知っているはず。

古来より続く大相撲の歴史

相撲の起源は古く、古事記(712年)や日本書紀(720年)の中に力比べの神話や天覧勝負の話が書かれています。古来より農作物の収穫を占う祭りの儀式として行われ、後に宮廷行事となり以後300年続いてきました。

江戸時代に入ると歌舞伎や浮世絵などとならび、庶民の間で親しまれる娯楽として急速に発展してきました。力自慢の者たちがこぞって参加するようになり、中でも谷風、小野川、雷電の三大強豪力士の出現により相撲の人気は急上昇。やがて全国各地で興行されるまでになりました。

特別に与えられた“横綱”の地位

大関雷電 第12代横綱陣幕久五郎

江戸時代に活躍した大関雷電(左)
と第12代横綱陣幕久五郎。

現在相撲における最高位は「横綱」であるのは誰もが知っているところ。しかし昔は「大関」が最高位で、横綱は成績ではなく免許により与えられた特権でした。

江戸時代、熊本藩に仕えていた相撲の宗家である吉田司(よしだつかさ)家が、徳川家の天覧相撲の際に、前出の谷風と小野川を公認したことにより「横綱」の地位が誕生しました。しかし最高クラスの実力を誇りながらも家元や出身藩、大名の力関係、派閥などで免許が与えられないケースも多く、三大強豪力士の残る1人雷電は大関止まりで横綱の免許は与えられませんでした。成績によって横綱に昇進し、番付上最高位と認められるようになったのは明治時代に入ってからのことでした。

年代別で見る横綱の系譜

現在の施設利用者の多くが大相撲に熱中したのは戦後に入ってからではないでしょうか。ここでは戦後から1990年代にかけて活躍した横綱を中心に紹介します。いずれも有名力士ばかりなのでぜひ押さえておくようにしましょう。

大相撲年表

大相撲の現在・大相撲の現実

険しき出世の道。関取になれるのは8.5人に1人

相撲の地位

相撲の地位は、序ノ口から横綱まで図のようになっています。本場所は年6回。幕下までは1場所につき7回取り組みが行われ、4勝以上で勝ち越せば番付が上がっていく仕組みです。十両以上の力士は「関取」と呼ばれ、相撲の世界では一人前とみなされます。

番付に名前のある力士の数は約600人。このうち関取の数は約70人で、おおよそ8.5人に1人の割合で関取まで出世する計算になります。実に多くの力士が一人前になれず土俵を去っていく。これが現実です。

こんなにキビシー。大相撲の世界

力士を目指すならば、まずはどこかの相撲部屋に入門し、年に一度行われる新弟子検査に合格する必要があります。検査は23歳未満の男子で、健康状態に異常がなく、既定の身長・体重があり、義務教育の修了者であるならば認められます。

晴れて入門が認められ、新弟子検査を突破した者は「相撲教習所」という施設に通い、相撲の歴史や基本動作など一般教養と実技を学びます。並行して本場所と同時に行われる「前相撲」で一定の成績を残した者に「序ノ口」の位が与えられ、初めて番付に自分の名前が載ります。

仮に番付に名前が載っても、序ノ口はまだまだの下っ端。相撲部屋では位が下の力士から早起き(なんと朝の4時!)し、掃除、洗濯、料理などの支度をこなしながら稽古に励みます。その後風呂と食事の時間になりますが、今度は逆に番付の高い者から始まります。またその際も、関取衆の背中を流したり給仕をしたりと常に気を配っていなくてはいけません。相撲の世界は極めて厳しい上下社会と言えます。

幕下と十両とでは、天と地ほどの格差がある

国技館入りする幕内旭秀鵬

国技館入りする幕内旭秀鵬。後ろの付き人と比べて体格や服装など大きく異なるのがわかる。

十両に昇進できれば色々な特権が与えられます。部屋を出ての一人暮らし、結婚、外出時の紋付羽織袴の着用が許可され、門限の無制限、付き人が付くなどこれまでの生活が一変します。そして給与が支給される。これが一番大きいかもしれません。

増えつつある外国人力士 今や3人に1人

十両以上の関取70人中外国人力士は24人※。ざっと3人に1人は外国人力士という計算になります。中でも最多はモンゴル人の17人で、かつて猛威を振るっていたハワイ出身者はゼロ。ブルガリアやグルジアなど東欧国出身者の躍進も目立ちます。一方で、熱心な相撲ファンの中には日本人力士のふがいなさを嘆く人も少なくありません。利用者の中にも同じ意見を持っている人はいることでしょう。

※2014年5月場所現在

Column

横綱だけじゃない。ごひいき力士を聞き出してみよう

絶対的な強さを誇る横綱や今回ご紹介した有名力士ばかりが人気を集めているわけではありません。利用者の出身地を知っているならば、同郷の力士の名前を調べて話題にするのもいいでしょう。またいつの時代も美男力士は女性たちから人気を集めるものです。色々な切り口で、ごひいきの力士、昔応援していた力士などを聞き出せれば、話もさらに盛り上がることでしょう。

レポート・文/大西啓介 南輝行