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第4回特集:国際福祉機器展H.C.R2013レポート Part2

国際福祉機器展H.C.R2013レポート

国際福祉機器展H.C.Rが9月18~20日に東京ビッグサイトにて行われました。毎年大勢の人が訪れる中、リブアップ・ワーカー編集部も会場を直撃。実際に行われたプログラムや会場の雰囲気を伝えるとともに、編集部がピックアップした介護の現場で実用的な福祉機器なども紹介します。

編集部ピックアップ・製品展示レポート

今回は全585社、約2万点にもおよぶ福祉機器・製品が展示されました。各ブースとも福祉・介護関係者や学生、商談に訪れる人などで賑わいを見せていました。その中で編集部が注目した、ユニークで斬新かつ実用的な機器・製品を紹介します。(掲載社名五十音順)

〇介護予防マシン「たのリハ」/株式会社サイ

「あれ、これってゲームショウじゃないの?」と思われる方もいると思いますが、これらは立派な介護予防のための機器。さいたま市に本社を置く株式会社サイでは、エンターテインメント向けのマシンを介護向けに応用。「遊びながら運動機能と脳機能を活性化!」をモットーに、運動機能と認知機能向上を狙った機器を展開している。「これら機器は九州大学病院リハビリテーション部にて効果測定済みです。今後は商品販売代理店に呼びかけ、さらなる拡販に努めていきます(同社営業部主任山田恒さん)」。

モグラ叩きの要領で飛び出すカエルを叩く「Hammer Frog(写真左)」とイスに座り出現するヘビを踏んでいく「ドキドキへび退治Ⅱ」。筋力向上や認知判断力の向上に効果がある。

〇リラックマウエア/セロリ―株式会社

女性や子どもに大人気の「リラックマ」が介護ユニフォームになりました! 岡山市に拠点に置くセロリ―株式会社は、女性向けのオフィスユニフォームを手がけるアパレルメーカー。「当社は介護用ブランド『ifory(アイフォリー)』を展開しており、今回展示したリラックマウエアが新たにラインナップに加わりました。10月より販売を開始する予定です(同社商品開発部担当者)」。ポロシャツ(写真)は、伸びやかなメッシュ調ニットに吸汗、速汗機能をプラスした快適な着心地を実現。かわいいだけじゃありません。

ぬいぐるみと一緒にリラックマウエアを展示。黄色を基調としたブースはインパクトが大きかった。

〇在宅高齢者ケア包括支援システム「TASCAL(たすかる)」/株式会社テクノスジャパン

離床センサー、徘徊報知器の開発で全国の病院、施設から高い評価を得ている株式会社テクノスジャパン。近年、国を挙げて推進されている地域包括支援や在宅ケアを後押しするべく、高齢者ケア包括支援システム「TASCAL(たすかる)を出展した。TASCALは犬型のロボット「パル」と、同社のセンサー、認知症ケア製品、多機能呼び出しスイッチなどを無線通信で結合した製品複合ネットワークシステム。「パルにはカメラやマイク・スピーカーが内蔵されており、利用者の行動を画像で確認したり、直接マイクを通じて会話することができます。また通信機器を介して、離れた場所でも携帯端末から送られてきた情報を確認することも可できます(同社東日本営業グループ千代和弘さん)」。今後24時間態勢が敷かれる訪問介護に寄与することができるか。大きな期待がかかる。

犬型のデザインは違和感なくすんなり部屋の風景に溶け込む。パルによりキャッチされた情報は携帯タブレットやスマートフォン(写真右)で確認することができる。

製品複合ネットワークのイメージ

〇ノロウイルス検出キット/株式会社プロテックス

高齢者の多い施設では、インフルエンザなど感染症対策に常に頭を悩ませているはず。株式会社プロテックスでは、さまざまなウイルスから人命と健康を守るべく研究開発や商品開発に努めている。今回同社が出展したのはノロウイルス検出キット。従来の便やおう吐物からのウイルス検出とは異なり、このキットはドアノブやテーブル、衣服などをふき取るだけでウイルスを簡単に検出できる画期的なアイテムだ。発光による抗原抗体反応と、その発光を検出する高感度光センサーを搭載し、検出機器との組み合わせ(特許)によって微量なウイルスでも検出することができる。同社によると年内完成の予定で開発・製造を進めている。また鳥インフルエンザや口蹄疫などにも応用できるキットも併せて開発予定とのこと。

検出キット。大がかりな検体採取の必要がなく、
施設内の設備、家具、衣服などをふき取るだけで簡単にウイルスチェックができる。

〇拘縮対策 ミラクルグリップ®/株式会社ホワイトサンズ

大阪を中心に福祉機器、介護用品の製造・販売・卸売をしている株式会社フォーライフメディカルのブースでは、実に多種多様な商品を展示していた。中でも注力してPRしていたのが株式会社ホワイトサンズ製作の「ミラクルグリップ40」。高反発素材を使用し、形状も手のひらですっぽり包み込めるよう設計されている。また通気性にも優れ水洗いも可能。脇の下、両ひざ間で使用する大き目サイズのミラクルグリップ60、200も好評発売中だ。開発者である名古屋市立大学名誉教授でNPO法人健康な脳づくり理事長の西野仁雄氏と白木基之氏は、今年6月に行われた日本神経科学学会でこの商品の研究成果を発表。脳梗塞後の手指の拘縮と言語障害が短期間に改善されたと報告した。

株式会社ホワイトサンズHP
http://whitesuns.com

学会での発表内容(動画サイトYouTubeにリンクします)
http://www.youtube.com/watch?v=oiEDfHFeb14

展示品のミラクルグリップ。ブースではひときわ熱心な商品説明が行われていた。

〇ウェーブストレッチリング®/有限会社MAKIスポーツ

骨盤、肋骨、足底など人間のさまざまな部位にフィットする形状をした「ウェーブストレッチリング」。有限会社MAKIスポーツ代表の牧直弘さんが姿勢づくりのためのエクササイズ器具として開発。これまでスポーツ・インストラクターや芸能人などさまざまな人に愛用されてきた。両手で持ち、色々な体位でストレッチできるばかりでなく、床に置いた状態で踏んで直立したり、腰の下に敷くなど使い方は千差万別。高齢者はもとより腰痛などに悩まされる介護従事者にも試してほしいアイテムだ。「柔らかい素材のタイプを今回作ったことで、今までよりも対象の幅を広げられたとともに、機能維持や筋力向上効果に最注目しました。予防や維持のリハビリのような使い方だけでなくレクリエーションのアイテムや余暇の時間などでも気軽に使用できると思います。高齢者施設でも使っていただけるように拡販に努めていきます。導入施設で正しい使い方を理解していただきたいので講習も同時に行っていき、この商品のすばらしさを皆さまに知っていただきたいと思います(牧直弘さん)」。

色はピーチ、グレープ、メロン、レモンの4色で、硬さによって色が異なる。

ブースに掲げられていたのぼり。使い方をイラストで紹介。

Column

子どもたちなど若年層にも福祉・介護について触れる機会を

最近は校外学習の一環で、小学生がイベントや展示会を訪れる機会が増えている。今回の福祉機器展は大勢の来場者で賑わいを見せていたが、将来を担う若い子どもたちの姿はほとんど見られなかった。核家族化が進み、身近にお年寄りがいない家庭が増えている昨今、子どもたちが介護の大切さや大変さを知る機会は十分にあるのだろうか? ノーマリゼーション教育も欧米と比べ十分とは言えないわが国で、こういった展示会は福祉・介護について知ってもらう良い機会となるはずだ。子どもたちが福祉・介護について学べて、楽しめるようなイベントの創出に期待を寄せたい。

取材・文/大西啓介