トップページ > 押さえておきたい現場の常識 第5回

押さえておきたい現場の常識

ここは高齢者施設「フレンドハウス」。元気だけが取り柄の新人ワカコちゃんは毎日が失敗の繰り返し…… それでも先輩職員マツオカさんの教えを受けながら日々研さんを重ねていきます。ついうっかり忘れがちな、介護の現場におけるさまざまな仕組みや法令などをワカコちゃんと一緒におさらいしていきましょう。

第5回 新しいサービス体系の確立 -2015年4月の改正に向けて

隣町の△△という施設に、Jリーグの選手たちが表敬訪問に来たんですって! いいなぁ、ウチにも来ないかな~ サッカー選手ってカッコいいし…

今プロスポーツチームなどは積極的に社会貢献活動をして、昔の企業主体から地域密着へと転換を図ろうとしているよね。 …そう言えば介護施設も「地域密着型」へ切り替わるものもあるって知っていた?

えっ? そもそも地域に密着していない施設なんてあるんですか? ウチだってご家族や近隣の方を招いて定期的にイベントをやっていますよね? 十分地域に密着していると…。

「地域密着型」というのは名称であって、市区町村指定の事業所のことを指すんだ。例えば小規模のデイサービスは、従来の都道府県指定から市区町村の指定に変わるんだ。

なるほど。より小規模な自治体の管理下になるから、お年寄り1人ひとりに対して細かいところまで目が行き届くというわけですね。

そうなるといいけどね。あと居住系サービスの拡大にも力を入れているよね。有料老人ホームはもとより、今急速に増えているサービス付き高齢者向け住宅へ入所しやすいよう法整備がなされているよね。

施設系の満床問題が少しでも緩和されればいいですね。それにしてもマツオカさんって物知りで頼りになるなぁ。一緒に働いていてホント色々と勉強になります!

君も先輩たちに密着してばかりいないで、早く一人前の介護士になれるようガンバらないとね!

は、は~い(あんまり余計なこと言わないよう注意しなきゃ…)

解説

① 地域密着型サービスへの移行

2015年4月の改正により、小規模デイサービス(月の平均利用人数が300人未満)の管轄が都道府県から市区町村(地域密着型サービス)へと変わります。

もともと地域密着型サービスは、要介護の高齢者ができるだけ住み慣れた地域で生活を継続してもらうために、2005年(平成17)の介護保険法改正時に創設されたサービス体系で、小規模多機能型居宅介護や認知症グループホームなどがこれに当てはまります。

厚生労働省は地域密着型サービスについて、「地域の特性に応じ、多様で柔軟な形態のサービス提供が可能なサービス体系」と位置付けており、独居高齢者のための夜間対応型や地域見守りなどのサービスも、将来的にこの地域密着型サービスの関連サービスとして整備していくビジョンがあるようです。

② 居住系サービスの拡大

現在急速に数を増やしているサービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)の入所者が介護サービスを受けやすくなるよう色々な施策がなされることになります。

サ高住の入居料や家事・食事サービス料などは介護保険の適用外となりますが、最近ではデイサービス併設型やケアマネージャーを配置した事業所も増えてきており、外部の介護サービスをフレキシブルに選択できるのもサ高住のメリットです。また2015年4月の改正により「住所地特例」が認められることとなり、現在自分が住んでいる市区町村以外にある施設へ入居した際も介護保険でサービスを受けられるようになります(ただし2015年4月の改正以降に入居した場合に限る)。

監修/リブアップワーカー編集部 キャラクターデザイン/Yocico Momose 参考文献/『もっと変わる! 介護保険』小竹雅子著 岩波書店 ほか

キャラクター

ワカコちゃん

●ワカコちゃん

大好きだった祖母の死をきっかけに介護の世界に入ることを決意。まだまだ未熟だけど元気で明るくいつもみんなの人気者。趣味はお菓子づくりと昼寝と愛犬トイ・プードル「キクエ」の散歩。祖母と同じ名前を犬に付けたため家族からは大ヒンシュクを買っている。

マツオカさん

●マツオカさん

「フレンドハウス」のケアマネージャー。ワカコちゃん直属の上司で、福祉に関する法律を熟知しており周囲からの信頼も厚い。趣味はスキーとバンド演奏(キーボード)。仕事熱心だが、毎年サザンの年越しライブに行くため大みそかの勤務は頑なに拒んでいるとか。