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現場で使える!今昔百科事典

歴史、文化、流行などを今に紹介する「今昔百科事典」。現場で利用者たちとの共通の話題づくりに役立ててほしい

ひな祭り

ーひな祭りー

3月3日は桃の節句、ひな祭り。ひな人形を飾ったり、菱餅やひなあられを食べたりと、女性がいくつになってもワクワクするこの季節。今回はひな祭りについて紹介します。

History

厄除けの儀式と人形遊びがひな祭りのルーツ

ひな祭りの起源は、西暦約350年の中国にさかのぼります。当時の中国では厄除けの儀式の一つとして、土やわら、紙などで作った人形を川に流す風習がありました。これは災いを人間の身代わりである人形に乗せ水に流して追い払おうというもので、現在の日本でも「流し雛」の風習が残っています。

時代の流れとともにこの「人形」がより精巧に作られるようになり、平安時代ごろには、貴族の女の子たちの間で遊び道具として用いられるようになりました。かつてからの厄除けの儀式とこの人形遊びが融合し、江戸時代には女の子の無病息災と幸せを願う行事として、現在の「ひな祭り」と同様に庶民の間でも定着していったようです。

Trivia

3月3日が祝日じゃないのは、日本の気候が原因だった

ご存知のとおり5月5日のこどもの日(端午の節句)は祝日です。ではなんで桃の節句は祝日じゃないの? という疑問を持った方も多いでしょう。実際、江戸時代には桃の節句が祝日とされていた記録が残っていますが、第二次世界大戦後、国民の祝日を再考する際に、3~4月を避けて設定されたため、桃の節句は祝日から漏れてしまいました。なぜ3~4月を避けたのかというと、この季節は東北地方ではまだ寒冷な気候が続くため、日本全体で温暖になる季節に祝日を入れようとしたためです。つまり気候の関係… というよりは政府の都合で、男の子の端午の節句が優先されたわけですね。

Trivia

お内裏様とお雛様

男雛と女雛の位置は、関東と関西では逆

ひな壇の最上部に鎮座する男雛と女雛。実は関東と関西では左右の位置が逆になっていることが多く、関東では男雛が向かって左側。関西では右側が一般的です。

元来、向かって右側に男雛を置くのが正しい置き方でした。これは日本古来より「左=上座」の教えがあるためそれに則った置き方をしているためです。ところが西洋文化が入ってくると、例えば結婚式など男性と女性のペアでは男が向かって左側に立つのが一般的となり、いつしかひな人形の置き方もこのようになりました。しかし京都など関西地方では日本古来の置き方を守り抜く習慣があったため、逆にはならなかったようです。

また男雛を「お内裏さま」、女雛を「おひなさま」と呼ぶのが一般的ですが、実はこれは間違い。「内裏」は天皇の居住区を表す言葉で、そこに住む天皇家が「お内裏さま」ということになります。なので男雛単体を指す言葉としての「お内裏さま」は間違いです。

これは童謡『うれしいひなまつり』を作詞したサトウハチローが、2番の歌い出しでこのような歌詞を誤って付けたために、上記のような呼び方が広まったと考えられます。本人も後で間違いに気づいたようですが、すでにこの歌が世に広まってしまった後のことで、変更しようがなかったようです。