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現場で使える!今昔百科事典

歴史、文化、流行などを今に紹介する「今昔百科事典」。現場で利用者たちとの共通の話題づくりに役立ててほしい

富士山写真

ー富士山ー

6月26日に終了したユネスコの世界遺産委員会において、正式に世界文化遺産リストに登録されることとなった富士山。今回は日本一の山にまつわる話をご紹介します。

History

登山者のモラルの無さが原因? 世界遺産決定まで要した20年

「FUJIYAMA(フジヤマ)」言えば、日本に来たことがない外国人でも知っている言葉でしょう。それくらい日本のアイデンティティーとして根付いている富士山。それなのになんでこんなに世界遺産登録に時間がかかったの? と疑問を抱く人も多いはず。

実は世界遺産には、今回富士山が登録された「文化遺産」のほかに「自然遺産」という部門が存在します。1992年、文化庁は当初富士山を自然遺産で立候補する予定でした。「山なんだから初めから自然遺産で当然じゃん!」と思われるかもしれませんがここが大きな落とし穴。登山道などに散乱するごみの多さを懸念した検討会が富士山を自然遺産候補のリストから外してしまったのです。

一度は消えかけた世界遺産への夢ですが、登山者へのマナー向上の呼びかけやボランティアによる清掃活動の成果が実り、今度は文化遺産でのノミネートを目指したのです。もし我々の環境への意識やごみ問題へのモラルが数十年前からしっかりしていれば、世界遺産登録は違った形で決定していたかもしれません。

Trivia

富士山頂上ご来光の様子写真

山頂でご来光を待つ人たち。苦労して登った後の日の出は格別。それにしてもスゴい人……

富士山登頂。混雑こそが最大の敵

気候も暖かい7~8月は富士山登頂のベストシーズン。そして登山するほとんどの人の目的は、頂上から日の出(ご来光)を見ることです。しかしこの季節、日本各地や外国からも登山者が多数押し寄せ、毎年大変な混雑に見舞われます。

ただし実際にご来光を拝むとなれば、前日深夜から登山を始める必要があります。この時期だと午前4~5時あたりに日の出となりますが、山頂付近があまりに混み過ぎて前に進めず、結局ご来光に間に合わなかったというケースもあるようです。時間に余裕を持ち、途中にある休憩所や宿をうまく利用したり、平日に休みを取れる人も多いと思うので、そういう日を活用して登山するのも手でしょう。

「それでもご来光に間に合わなかった……」という方。山頂付近にあるその名も「御来光館」という宿泊所のホームページでは、ご来光のシーンをライブ映像で配信しています。間に合わなかった場合はこちらでご来光を拝んだ気分に浸りましょう(笑)。

Trivia

富士山って噴火する可能性あるの!?

富士山が最後に噴火したのは今から約300年さかのぼること宝永4年(1707年)。この噴火に伴い現在の神奈川、静岡周辺は大規模な被害に見舞われ、江戸の町にも火山灰が降り注ぐほどの被害でした(宝永噴火)。実はこの噴火の数日前、関東近辺に大地震が起こり、この地震は富士山噴火の予兆だったのでは? と言われていたそうです。

勘の良い方はお気づきかもしれませんが、一昨年の東日本大震災以降、日本近辺では比較的大規模な地震が発生しています。もともと日本の山は100年単位で噴火を繰り返しており、学者たちの間では近い将来、富士山も再び噴火するのではと予想されています。現に河口湖の水位が下がるなどの悪い予兆も報告されています。

実際、噴火の予兆を気象庁は把握していて、軽い揺れの低周波地震が富士山近郊で起こるようになると黄信号。噴火するかは一ヵ月前には予見できるとのことです。警報が発令された場合を考えて、各自今からしっかりと対策を立てておく必要があるかもしれません。