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現場で使える!今昔百科事典

歴史、文化、流行などを今に紹介する「今昔百科事典」。現場で利用者たちとの共通の話題づくりに役立ててほしい

海女さん写真

ー海女ー

NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で注目を集めている海女。今回は、日本に古くから伝わる歴史ある漁を営む「北限の海女」にスポットを当ててみます。

Trivia

『あまちゃん』のロケ地はどんなところ?

岩手県久慈市。三陸鉄道北リアス線(宮古―久慈間)の車窓から、三陸地方の代名詞である複雑に入り組んだリアス式海岸を一望することができる景勝地として名高い場所です。終点の久慈駅からバスで30分ほどのところに、ドラマのロケ地に選ばれた小袖海岸があります。東日本大震災による津波の被害から徐々に復興し、静かな賑わいを見せています。小袖漁港にある「海女センター」では、資料などを通じてその生活文化を垣間見れるほか、7~9月末の間、海女さんたちによる素潜り実演(有料)を開催しています。例年ならば見学者にとれたてのウニを提供するサービスがあるのですが、残念ながら今年は資源確保のため試食はやっていないとのこと。「どうしても海の幸を満喫したい!」という方。久慈駅近辺には海産物の販売店や海の幸をふんだんに使った料理を提供してくれる店があるので、そちらを訪れてみましょう。

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「かわいすぎる海女さん」大向さん

「かわいすぎる海女さん」で注目を集めた大向さん。現在は久慈市内の水族館で勤務しているとのこと。

かわいすぎる海女さん

ドラマの主人公、天野アキのモデルになったとも言われる「かわいすぎる海女さん」という女性が居たのを覚えているでしょうか? 彼女の名は大向美咲さん。2009年、久慈市の「北限の海女」として25年ぶりの新人誕生ということでNHKが取り上げたところ、その美貌がインターネットなどを通じて一躍話題になり注目を集めるようになりました。今でこそ「美人すぎる〇〇」といったキャッチをよく耳にしますが、その先駆けと言える存在でした。

しかしメディアへの露出が増えると、これが先輩海女さんとの軋轢を生むようになり、残念ながら2010年に同期の若手海女さんたちと同時に引退してしまいました。今回のテレビドラマで再び注目が集まっているだけに、何とか若い人材を確保して後継者問題を解決してほしいところです。

Trivia

昔ながらの漁法。伝統を重んじるのには理由がある

真冬の寒い時期にでも、潜水具一つ着けずに海へ潜りサザエ、ウニ、ナマコなどを捕獲する海女。これほど厳しい環境での仕事をなぜ男性に任せないのでしょうか? 潜水機材が発達した現在で、なぜこれほどまでに昔ながらのスタイルにこだわるのでしょうか?

海辺の町はたいてい漁業が盛んです。「漁業」というと、漁師が船に乗り沖合に出て魚を捕るのが一般的ですが、過酷な環境下で長時間海を相手に戦うのはやはり男性の仕事。一方で、女性は「家を守る」という慣習が強く根付いており、遠出することなく沿岸部で魚介類を採取するのは、家事などもこなさなくてはいけない主婦の方が向いているというわけです。また女性は男性に比べ皮下脂肪が厚く、長時間冷たい海に潜るのに向いているというのも大きな理由です。

また酸素ボンベを着ければもっと長時間潜れて、たくさんの量が捕れるんじゃないの? と疑問を持つかもしれませんが、海女さんがボンベを着けない理由は乱獲を防ぐためなのです。文明の利器に頼ることなく、肉体の限界で可能な範囲の漁を行う。これは海、そして自然の恵みを尊ぶ海の女の心の表れと言えるでしょう。